フリーランスが加入できる付加年金のメリットについて

フリーランス
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フリーランスになると国民年金が第1号被保険者となり、会社員や公務員などの第2号被保険者と比較すると年金受給額が不利になってしまいます。

しかし、第1号被保険者のみ加入できる付加年金という制度があり、これに加入すると小額ではありますが年金受給額の上乗せができます。

結構すごい制度だとは思いますが、あまり知られていないと思いますので解説したいと思います。

この記事で分かること

  1. 付加年金とは何かが分かる
  2. 付加年金のメリット・デメリットが分かる
  3. 自営業者やフリーランスが付加年金に加入すべきかが分かる
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付加年金とは何か

毎月400円の付加保険料を納めることで、将来の年金受給額に200円×保険料納付月数が加算される制度です。

例えば、30年間(360ヶ月)付加年金の保険料を納めていた場合は以下の金額が毎年の年金受給額に加算されます。

200円×360ヶ月=72,000円

ただし付加年金に加入するためには条件があります。

付加年金に加入するための条件

条件は冒頭にも記載しましたが第1号被保険者であることです。

第2号被保険者である会社員や国民年金基金の加入者は付加年金に加入できません。

つまり、自営業やフリーランスであれば加入することができます。

付加年金のメリットについて

メリットは毎年の年金受給額を上乗せできるということですが、そのすごさは何と言っても「将来の年金受給額に200円×保険料納付月数が加算される」という部分にあるかと思います。

毎月の保険料が400円に対して、200円×保険料納付月数が加算されるということは、2年間年金を受給すれば元が取れてしまいます。

2年以降は長生きすればするほど得をするということです。

付加年金のデメリットについて

デメリットももちろんあって、以下の点が挙げられるかと思います。

  1. 2年間受給できなかった場合は元が取れない(元本割れ)
  2. 投資的に考えると受給開始までに資金拘束される

2年間分受給できるまでに亡くなってしまった場合は言うまでもなく払い込んだ金額よりも受け取る金額が少なくなってしまいますので、この点はデメリットになるかと思います。

ただ、日本人の平均寿命を考えた場合、多くの方が2年以上は受給できるのではないでしょうか。

また、2つ目の資金拘束についてですが、毎月400円という小額とはいえ、30年間払い込んだ場合の総額は

400円×360ヶ月=144,000円

になり結構大きな金額です。

これだけの資金が受給開始までの期間は拘束されてしまうと言うことも頭に入れておいた方が良いかと思います。

付加年金のすごさについて

メリット・デメリットが分かったところで、付加年金のすごさについて具体的な数字で確認していきたいと思います。

まず、国民年金について見ていきましょう。

国民年金の払込額と受給額について

第1号被保険者の国民年金の払込額は月額16,610円となっております。(2021年度の金額、今後上がっていき上限は16,900円で固定される予定)

ここでは30年間払い込んだ場合の払込額と受給額を見ていきたいと思います。

  • 払込額:16,610円×360ヶ月=5,979,600円
  • 受給額:78万900円×360ヶ月÷480ヶ月 = 585,675円

上記のように、払込額5,979,600円に対して毎年585,675円受け取ることができますので、10年ちょっとで払込額を回収することができます。

付加年金の払込額と受給額について

続いて、付加年金について冒頭でも少し記載しましたが改めてまとめておきますと以下の通りとなっております。

ここでも30年間払い込んだ場合の払込額と受給額を見ていきたいと思います。

  • 払込額:400円×360ヶ月=144,000円
  • 受給額:200円×360ヶ月=72,000円

上記のように、払込額144,000円に対して毎年72,000円受け取ることができますので、2年で払込額を回収することができます。

付加年金を払い込んだ場合の増加率を考えてみる

国民年金のみの場合と国民年金+付加年金の場合の金額増加率について考えてみます。

まず、払込額の増加率について。

国民年金が16,610円、付加年金が400円なので

国民年金+付加年金は、16,610円+400円=17,010円

増加率は、17,010円÷16,610円×100=102.4%

続いて、受給額の増加率について。(払込期間が30年の場合)

国民年金が585,675円、付加年金が72,000円なので

国民年金+付加年金は、585,675円+72,000円=657,675円

増加率は、657,675円÷585,675円×100=112.2%

払込額が2.4%増えるだけで、受給額が12.2%増えます!

そもそも国民年金も

10年ちょっと年金を受給することができれば払込額を回収できるものなので平均寿命が増加傾向にあることから勝ちやすい投資と言えると思います。

通常の受け取り開始である65歳から受け取った場合、平均寿命が低い男性であっても81歳となっており16年間受け取ることできます。

それなのに付加年金は国民年金よりも5倍の還元率を誇るのはすごいことだと思います。

まとめ

この記事では以下について解説いたしました。

  1. 付加年金とは何か
  2. 付加年金のメリット・デメリットについて
  3. 付加年金のすごさについて

筆者個人の考えとしては、自営業者やフリーランスの場合、付加年金に加入した方が良いと考えております。

実際に筆者もフリーランスになったと同時に加入しております。

もちろん、払込額を回収できないケースもあるかとは思いますが、平均寿命を考えると圧倒的に回収できる可能性が高いかと思います。

自営業者やフリーランスは年金について会社員や公務員よりも不利なので、是非ご検討いただき、この記事が少しでもご参考になれば幸いです。

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