FXトレードにおいて、「ダウ理論」というものは必ず知っておいた方が良いものになりますが、初めて聞いたという方も多いのかと思います。
ちなみに「ダウ」という言葉はニュース等を見ていると聞く機会がよくあると思います。
そうです。「NYダウ」や「ダウ平均株価」のことです。
「ダウ理論」の「ダウ」もこれらと同じダウで、人名から取ったものになります。
チャールズ・ダウという人です。
「ダウ理論」とはチャールズ・ダウが提唱した理論になります。
さて、前置きは以上にしておきまして、この記事では「ダウ理論とは何か?」ということと、「ダウ理論で重要な考え方」を解説していきたいと思います。
- ダウ理論について知らない方
- ダウ理論にとっつきにくい方
- ダウ理論の重要な考え方を把握していない方
ダウ理論とは

ダウ理論は、以下の6つの基本法則から構成されております。
平均はすべての事象を織り込む
政府が発表する経済統計や企業の業績・更には自然災害の様な予測不可能な事象に至るまで、需給に関するあらゆる事象は全て市場価格に織り込まれる。市場価格はあらゆるファンダメンタル(材料)の反映であるという考えであり、その意味で効率的市場仮説の主張に基づいた考えとも言える。
トレンドには3種類ある
ダウ理論では、価格変動の分析において市場動向(トレンド)を重視する。そのトレンドを以下の3つに分類している。
1. 主要トレンド:1年~数年のサイクル。
2. 二次トレンド:3週間~3ヶ月のサイクル。
3. 小トレンド :3週間未満のサイクル。
これらのトレンドは互いに独立しているのではなく、二次トレンドは主要トレンドの調整局面であり、小トレンドは二次トレンドの調整局面として捉えられる。
主要トレンドは3段階からなる
また、主要トレンドは買い手の動向によって3つの段階からなるとしている。
1. 先行期 :市場価格が下落し全ての悪材料は織り込み済みと判断した少数の投資家が、いわゆる”底値買い”をする時期。価格は、下落しているか底値圏で上下している。
2. 追随期 :市場価格の上昇を見て追随者が買いを入れる時期。価格は、上昇局面にある。
3. 利食い期:価格が充分に上昇したところを見て、先行期に買いを入れた投資家が売りに出て利益を確定する時期。価格は既にその前から上昇局面にあるものの、その上昇する値幅は小さくなっている。
平均は相互に確認されなければならない
複数の平均的指標が存在する場合、その両者に同じシグナルが見られないなら明らかにトレンドとして捉えることは出来ないと考える。もっともシグナルが同時期に出現する必要はないものの、直近においてシグナルが発生していればトレンドとして捉えるべきであり、且つ可能な限り同時期に近ければ確定的としている。
ダウが活躍した時代のアメリカでは、工業生産が盛んになると共に製品を輸送するための鉄道が整備された時期であった。工業生産の好調・不振は即座に鉄道業の経営に影響したことから、ダウが創刊した『ウォールストリート・ジャーナル』ではダウ・ジョーンズ工業平均株価と運輸株平均をチャート形式で掲載している。
トレンドは出来高でも確認されなければならない
市場の終値の変動をダウは重視するが、同様にトレンド発生の確認手段として出来高の推移も重視する。
例えば上昇局面においては値上がり時に出来高が増加し値下がり時には出来高が減少、下降局面においては逆になる。主要トレンドに従って取引する投資家が多数派であり、二次トレンドや小トレンドで利益を得ようとする投資家は少数派であると考え、それが出来高の多少に反映するとする。
トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
現在の市場で発現しているトレンドは、明確にトレンドの転換シグナルが現れるまで継続し続けるとする。トレンドに従った売買によって多くの投資家は利益を得るのであり、トレンドに逆らった売買で利益を得るのは難しい。
引用元:ウィキペディア
うーん、わけわからないですね。
これを見ただけだと、とてもとっつきにくくて、理解しようとするのを辞めてしまいそうです。
なので、筆者が特に重要だと思う部分を解説していきます。
主要トレンドは3段階からなる
主要トレンドは3段階からなるとは以下の内容でした。
また、主要トレンドは買い手の動向によって3つの段階からなるとしている。
1. 先行期 :市場価格が下落し全ての悪材料は織り込み済みと判断した少数の投資家が、いわゆる”底値買い”をする時期。価格は、下落しているか底値圏で上下している。
2. 追随期 :市場価格の上昇を見て追随者が買いを入れる時期。価格は、上昇局面にある。
3. 利食い期:価格が充分に上昇したところを見て、先行期に買いを入れた投資家が売りに出て利益を確定する時期。価格は既にその前から上昇局面にあるものの、その上昇する値幅は小さくなっている。
引用元:ウィキペディア
図解すると以下のようなイメージです。

- 価格は下落しているか上下に動いています
- トレンドが出ていないので、ここからエントリーするのは困難でしょう
- 図ではこの後上昇しておりますが、底値圏で上下に動いて揉みあったけどその後下落するというのは往々にして起こります
- というか、底値圏だと分かるのは②追随期が来てからなのではないでしょうか
- したがって、先行期は安易に手を出してはいけないです
- 価格は上昇して行っております
- 上昇を見てから追随が入る時期なので、すでにトレンドが発生していると言えるでしょう
- 一般的にはこの時期に入るのが王道とされています
- 価格は上昇しているものの、上昇する値幅が小さくなってきています
- ①先行期や②追随期で買った人が利益確定の売りをするのと、後からトレンドに気づいた人たちが新規買い注文を出すので荒れやすい時期です
- この時期に買うと上下に揺さぶられるのでメンタル的にも辛いことでしょう
- そして次は下降の①先行期が始まることになります
トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する

トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続するとは以下の内容でした。
現在の市場で発現しているトレンドは、明確にトレンドの転換シグナルが現れるまで継続し続けるとする。トレンドに従った売買によって多くの投資家は利益を得るのであり、トレンドに逆らった売買で利益を得るのは難しい。
引用元:ウィキペディア
例えば、以下のような場合ってどうですかね?

ジグザグしているけど右肩上がりになっており、前回の高値(山)の位置よりも必ず高い位置に高値(山)ができていますし、前回の安値(谷)の位置よりも必ず高い位置に安値(谷)ができております。
この後も上昇していく気しかしなくないですか?
これは転換のシグナルが現れていないからです。
では、転換のシグナルとはどのようなものかというと、

例えば上の画像だと、これまで上昇しており前回の位置よりも必ず高い位置に高値・安値が形成されておりましたが、突如前回安値を下回って安値が形成され、さらに前回高値よりも低い位置に高値が形成されたと。
この場合、上に行く気はしますかね?
上に行く場合もあるかも知れないですが、少なくとも右肩上がりになっている画像の時よりは、下に行くかも知れないと思う人が増えるのではないでしょうか。
このような転換シグナルが発生するまではトレンドが継続するということです。
他にも転換のシグナルになり得る画像を貼っておきます。

もういっちょ。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
ダウ理論の中で筆者が特に重要だと思う項目を解説いたしました。
- 主要トレンドは3段階からなる
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
この中でも特に重要なのは「2. トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」なのかなと思っております。
正直これを知らないとトレードしようがないと言っても過言ではありません。
確かに適当な位置でエントリーして勝てることもあると思いますが、それはギャンブルであって投資ではありません。
ダウ理論は基礎ではありますが、世界中のトレーダーが意識している理論になりますので、ぜひ自分の腑に落とし込んでみてください。
きっとチャートの見方が変わると思いますよ。
以上、この記事がご参考になれば幸いです。
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